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表面EXAFS分光法による表面原子振動の評価

横山利彦

 EXAFS(広域X線吸収微細構造, extended x-ray-absorption fine structure)は局所構造解析手段とて広く応用されてきたが、いわゆる局所構造パラメータである吸収原子周りの配位数と原子間距離以外にも、より高次の情報である平均自乗相対変位(mean square relative displacement, MSRD)、平均三乗相対変位(mean cubic relative displacement, MCRD)などの知見を与える。MSRDは吸収原子-散乱原子間の動径分布関数の分散を示し、MCRDは動径分布の非対称性を表すので、これらは吸収原子-散乱原子間のポテンシャルを反映するものである。

 われわれのグループは、ここ十数年来、つくば市の物質構造科学研究所放射光研究施設(Photon Factory, PF)の軟X線二結晶ビームラインBL-11Bにおいて、X線吸収微細構造(XAFS, x-ray-absorption fine structure)を表面に応用した研究を行ってきた。またEXAFSのより高次の情報であるMSRD, MCRDから表面振動に関する検討も進めている。ここでは表面振動の研究例をふたつ紹介したい。


目次
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1. Cl/Ni(100)およびCl/Cu(100)系の表面Cl-金属結合の吸着量依存性
2. S/Ni(110)系での表面S-Ni結合の振動異方性



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